覚醒の2部方程式

原文

マインドフル瞑想(気付きの瞑想)によって「怒り」や「悲しみ」等の様々なネガティブな感情に気付くことができても、それらを根本的に変えていくことはなかなか難しいと感じている方が多いのではないでしょうか?

「怒り」であれ「悲しみ」であれ、その根本には、「そのように感じているこのわたしがいる」という感覚があります。

ならば、ネガティブな感情という様々な形をとる個々の「葉」を見るのではなく、その根本にある「わたし」という「根」を見つめることが必要なのではないでしょうか?

「覚醒の2部方程式」(Two-Part Formula)は、マインドフル瞑想(気付きの瞑想)の対象を、この「わたし」という感覚に向けることで、「わたし」というものが空であるという洞察を得て、ネガティブな感情を根本的な部分から変えていく方法です。

覚醒の2部方程式の実践方法

【「わたし」の無いモード(“I”-less mode)=オープン・アウェアネス】

ステップ1:

座って、体全身の力を抜いて下さい。

目は開けていても閉めていても構いません。

体の力を十分に抜いたならば、次に身体を内側からスキャニングしていきます。

緊張している部分があればそこをリラックスさせて下さい。スキャニングとは、あたかも懐中電灯で体の内部を照らすかのように、体の内側の空間を見て感じ、そしてその状態に耳を澄ませることを意味します。

緊張した部分が見つかってそれを開放することができたならば、その後に残った感覚に注意をむけて下さい。そこに残るのはただの広い空間ではないでしょうか。

そのことに気付いたならば次の緊張部分へと移り、それを開放し、そしてまた緊張が開放された後に広がる空間に気付いてください。

明晰な意識の下でこの気付きのプロセスを数分間行います。

すると、緊張が開放された後の小さな空間が繋がり始め、より大きな空間が広がって行くことに気付くでしょう。

その空間に気付き、その中に溶け込むような感覚を楽しんでください。

ステップ2:

ステップ1で入った状態は「わたし」の無いモード、あるいはオープン・アウェアネスといいます。そこに広がるのは空間だけであり、「わたし」と言えるようなものはどこにも見つからないからです。

その空間の中にいて、「わたし」が実際にいるかどうか確かめてみて下さい。

左右、前後、上下、真ん中、あらゆる場所を見てそこに「わたし」なるものがいるのかどうか確かめて下さい。

その空間の中に「わたし」の感覚はあるでしょうか?それが見つからない状態にいるならば、「わたし」の無いモードに正しく入ったことになります。

もし、不確かならば意識をより明晰な状態にしてまた上のステップを行ってみて下さい。

このモードにおいては、周りの音に耳を澄ませたり、前にあるものを見たりしていても、「聞いているこのわたし」、「見ているこのわたし」というものはなく、ただ「聞こえている」、「見えている」という状態があるだけです。

この「わたし」の無いモードをよく知ることが大切です。それは難しいことではありません。ただ、少し意識を明晰にして、正しくリラックスする必要があるだけです。

【「わたし」のモード(“I”-mode)】

ステップ3:

「わたし、わたし、わたし」、「おれ、おれ、おれ」、「ぼく、ぼく、ぼく」等、普段自分を指して呼ぶ名前を心の中か声に出して唱えてみて下さい(このようにして唱えることをアファーメーションと呼びます)。

アファーメーションを本気で唱えて下さい。2、3回唱えたならば、そこに感覚が生じてくるのを待ちます。

どういった感覚が生じてくるでしょうか?

緊張感でしょうか?

「わたし」という思いを強く唱えることで窮屈な感覚を覚えるでしょうか?

「わたし」という思いはどういった感覚や感情を引き起こしているのでしょうか?

ここでは「わたし」という感覚を意識的に呼び出し、「わたし」という感覚がどのようなものなのかを意識的に体験しました。

もしかして、そのようなことをしたのは人生で初めてのことかもしれません。「主体」としての「わたし」がここでは観察の「対象」になっています。

「わたし」という感覚が体のあらゆる場所において、例えば、胸の中、あるいは頭の中で、どう感じられるか気付いていてください。

ステップ4:

「わたし」という思いが引き起している感覚のなかで一番強いものを選んでください。

科学者が顕微鏡で微生物を覗くときのように、その感覚をよく見てください。

それを変えようとかするのではなく、興味を持って観察します。

ただ体験し観察することで、その感覚を意識的に見て感じ取ってください。

「わたし」というものは一体どのようなものなのでしょうか?それは形あるものなのでしょうか?

その大きさはどれくらいでしょうか?それはどこにありますか?

この「わたし」の感覚とは、あなたの真実なのでしょうか?

それはあなたの本当の姿なのでしょうか?

それをよく見て観察して下さい。

少し時間が経つと「わたし」の感覚が薄れてきて消えることを体験するでしょう。その時点で緊張感がなくリラックスした状態ならば、またアファーメーションを唱えて下さい。

もし少しせわしなく感じるようならば、そのせわしない感覚が何なのかよく観察し、その原因を見てください。

やがてこういった感覚が収まると、そこには空間がまた広がります。

そうしたら、またステップ1に戻ってください。

注意点

この瞑想の基本的なアイディアは、「わたし」という感覚から強い感情が取り除かれるまで、2つのモードを比較し続けることにあります。アファーメーションを唱えても強い感覚が生じることがなく、どれだけ強くアファーメーションを唱えてもそれがただ空間にこだまするだけの状態になったならば、「わたし」の空性に関する洞察(目覚め)が生じたと考えられます。その時点で、以前に比べてある種の自由さと、軽さと、明るさが感じられると思います。

覚醒の2部方程式を実践する場合、一日1~3回程、座って20~30分の間2つのモードを経験することがベストです。この実際に座って瞑想する時間が最も大切ですが、日常の行動の中においても2つのモードがどのように繰り返されているのかに気付いていることも重要です。特に他人と一緒にいるときには、「わたし」というものが強烈に感じられるものです。このような機会を、「わたし」を観察するために使います。

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